日本刀の価値というのは、武器としてだけでなく、美術品としての価値もあるとされていました。例えば武器としての槍は安価に作ることができ、弓は手間が掛かるものの耐久性にはやや問題がありました。
一方で日本刀は、当時の最先端の技術を使って作られているのです。鉄を鍛え上げて作る日本刀は、希少性なども含めての価値がありました。同じ価値のあるものとして、硬貨や紙幣などがありますが、お金という物体自体には何の実用的価値がないにも関わらず、その価値は高いとされています。
日本刀も同じく、武器としての実用性よりも、美術的な価値や、その背景などを含めた象徴的価値で武器のトップに君臨していたと言われているそうです。
例えば貴族が正装をするときには太刀が必須となりますし、宮中での帯刀は地位の高い人の特権とされていました。