焼入れと反りについて

焼刃土を縫って土置きをした刃は火床(ほど)で800℃程度に刀身を一様に加熱するそうです。そして船と呼ばれる水槽に一気に沈めて急冷するそうです。このときに、日本刀の大きな特徴である反りと刃文が同時に生じるそうです。刀匠は、この焼入れのときに、鍛刀所の明かりを暗くして、加熱温度を赤め輝きで判断するそうです。刀匠は目指す反りや刃文になるように焼刃土を置いていくそうですが、それが思うように現れるということはなかなかないそうです。これは各流派の掟や、刀匠の経験と技量が遺憾なく発揮されるといえるようです。反りは日本刀を象徴する姿形の美しさの要といえるそうです。戦闘方式の変換とともに、その位置や高さに変化が見られるといいます。時代が下るにつれて、反りの中心というのが腰から先に移っていっているそうです。腰のあたりで反りが最も大きい腰反りというのは、平安時代末期から室もあち時代初期にかけての太刀に見られるそうです。
中反りというのは、反りの中心が刀身の中央に位置して、反りが鋒から茎までほぼ一様な曲率だそうです。鎌倉時代の山城伝や大和伝に見られるものだそうです。先反りは、刀身中央より鋒側よりに反りの付いた姿となるそうです。室町時代や戦国時代の打刀に多く見られるそうです。腰反りの深い太刀は騎馬戦に有利だそうですが、先反りは、徒歩戦(かちせん)において抜刀や操刀に適した反りになっているそうです。日本刀の反りというのは、棟に向かって反っているそうです。この逆に刃に向かっている反りを内反りというそうです。上古代の刀剣や鎌倉時代の短刀に見られる形だそうです。内反りの例としては、石神神宮に伝わる布都御魂の剣というものがあるそうです。

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