言葉に見る日本刀

 日本刀に関連する言葉は沢山ありますから、興味のある人は使ってみてください。よく知られているのは、「目貫通り」等でしょう。「目貫」は日本刀の部位で、柄の金具を指して言います。単なる飾りではなく、触感を良くする働きを持った部品です。刀への組み込み方は複雑で、正確な仕事が必要になります。この大切な部位を指す言葉から転じて使われているのが「目貫通り」なのです。
 他の例としては、「反りが合わない」という表現も挙げておきましょう。この言葉は、刀身と鞘との相性に関係してできた言葉です。つまり相性が悪ければ刀を収めることが出来ないという意味です。ここから転じて人間関係の相性を指して使うようになったというわけです。ただこの言葉は誤用が目立ちます。というのも、単に仲の悪いことを指して使われることがあるからです。正確には表面上の付き合いに問題が生じていない場合に用いるべきなのです。
 「鍔迫り合い」はすぐに想像できるでしょうから説明するまでも無いでしょう。鍔と鍔とがぶつかる様を想像すれば良いのです。そこから転じて、力が拮抗する者同士の争いを指して使います。日本刀に絡めた表現は他にも沢山あります。ことわざに限っても、「似非侍の刀弄り」「抜かぬ太刀の高名」「匕首に鍔」等が挙げられます。辞書等で調べて使ってみましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です